ランニングのペースの計算方法:距離・タイム・ペースの計算式と早見表
ランニングのペースは、走った時間(秒)を距離(km)で割るだけで求められます。10kmを52分で走ったなら、1kmあたり5分12秒。この記事では、その計算の中身と、レースのタイム設定に使える早見表を数値付きで紹介します。
ペース・タイム・距離・スピードの計算式
ランニングの記録は、次の4つの式だけで全部つながっています。
- ペース(1km・1マイルあたりのタイム) = 合計タイム ÷ 距離
- タイム = 距離 × ペース
- 距離 = 合計タイム ÷ ペース
- スピード = 距離 ÷ 合計タイム(時間換算)
3つのうち2つが分かれば、残り1つとスピードはすぐ出せます。式自体は単純な割り算と掛け算ですが、秒と分の変換、km とマイルの変換が絡むと、手計算では意外と間違えやすいところです。
計算例:10kmを52分で走った場合
実際の数字で追ってみます。10kmを52分00秒(52:00)で走ったランナーがいるとします。
まず52分を秒に直すと3120秒です。これを距離の10kmで割ると、
ペース = 3120秒 ÷ 10km = 312秒/km = 5分12秒/km
スピードは、距離を時間(時)に直した合計タイムで割ります。3120秒は3120/3600時間なので、
スピード = 10km ÷ (3120/3600時間) = 11.54km/h
同じ走りをマイル換算するとどうなるか。10kmは約6.21マイルなので、ペースは約8分22秒/マイル、スピードは約7.17mphになります。km表記のレースに出るかマイル表記のレースに出るかで、同じ実力でも見た目のペースの数字はまったく違ってきます。
サブ4・サブ3.5を狙うなら、どのペースで走ればいいのか
1kmあたりのペースを一定に保った場合、代表的なレース距離のゴールタイムがどう変わるかを見てみます。
| 距離 | 5:00/km | 5:30/km | 6:00/km |
|---|---|---|---|
| 5K | 25:00 | 27:30 | 30:00 |
| 10K | 50:00 | 55:00 | 1:00:00 |
| ハーフマラソン(21.1km) | 1:45:29 | 1:56:02 | 2:06:35 |
| フルマラソン(42.2km) | 3:30:59 | 3:52:04 | 4:13:10 |
この表を見ると、1kmあたりわずか30秒のペース差でも、距離が長くなるほど効いてくるのが分かります。フルマラソンでは、5:00/kmから5:30/kmへの30秒差でゴールタイムが約21分伸び、5:00/kmから6:00/kmへの1分差では約42分も変わります。5Kや10Kの感覚で「30秒くらいなら」と軽く見ていると、フルの後半でその差がそのまま積み上がって返ってくるということです。
自分のペースを計算する
自分の記録や目標タイムを入れて、ペース・タイム・距離・スピードのどれかをその場で計算できます。
よくある間違いと注意点
ペースの計算でつまずきやすいポイントをいくつか挙げます。
ペースとスピードを混同することです。この2つは逆数の関係にあり、速く走るほどペース(1kmあたりの時間)は小さくなり、スピード(1時間あたりの距離)は大きくなります。「ペースが上がった」と言うときにどちらを指しているか、話す相手と食い違わないようにしましょう。
km表記とマイル表記の取り違えです。アメリカのレースの多くはマイルでペースを表示しますが、日本を含む世界の大半はkm表記です。海外のレース結果やアプリの表示を見るときは、単位をまず確認してから比較する癖をつけておくと安心です。
GPSウォッチの距離のズレです。公式に10kmと案内されているコースでも、腕時計のGPSでは衛星の受信状況やカーブを完全にショートカットしきれないことが原因で、10.05〜10.15km程度と表示されることがよくあります。この「時計上の距離」からペースを逆算すると、実際の公式ペースより速めにも遅めにも見えてしまいます。
トレッドミルのペースが屋外の体感と一致しないことです。トレッドミルは空気抵抗がなく、ベルトが一定速度で動いてくれるため、同じ表示ペースでも屋外を走るより楽に感じることが多いです。屋外レースの調整にトレッドミルのペースをそのまま当てはめると、想定より苦しくなることがあります。
よくある質問
レースの結果からペースを計算するにはどうすればいいですか? ゴールタイムを秒に直し、距離(km)で割ればペースが出ます。例えば10kmを52分00秒で走ったなら、3120秒÷10km=312秒/km、つまり5分12秒/kmです。ツールに距離とタイムを入力すれば、この計算を自動でしてくれます。
初心者にとって良いランニングペースはどれくらいですか? 体力レベルによって大きく差がありますが、多くの初心者はイージーペース(会話ができるくらいの余裕がある走り)で1kmあたり6分30秒〜8分00秒程度を目安にしています。レースペースはこれより速くなり、距離や経験によって変わってきます。
ペースをスピード(km/hやmph)に変換するにはどうすればいいですか? 距離を合計タイム(時間換算)で割ればスピードになります。10kmを52分(3120秒=3120/3600時間)で走った場合、10km÷(3120/3600時間)=11.54km/hです。マイル換算なら距離と時間の単位をマイル・時間にそろえて同じ式を使います。
国によってマイル表記とkm表記に分かれているのはなぜですか? ヤード・ポンド法を使うアメリカやイギリスの一部の文化圏ではマイルとマイルペースが主流で、それ以外のメートル法を採用している国ではkmとkmペースが標準です。国際レースでは主催国の慣習に合わせて表記が決まることが多く、同じ大会でも案内言語によって単位が変わることもあります。
ウォーキングやサイクリングのペース計算にも使えますか? 使えます。距離・タイム・ペースの関係はどんな移動手段でも同じ式で成り立つので、ウォーキングのペースやサイクリングの平均速度を出すのにもそのまま応用できます。